2024/05/19
ホノミ漢方#7鼻病体質‐アレルギー性鼻炎
2024年の花粉飛散予報はこちら・・・ https://tenki.jp/pollen/expectation/?fbclid=IwAR35pIRL5sbaGQ5GAiQb2WzC7erBys87mbN54fUUOAuOnMsGXasWZHFMTxs スギ、ヒノキの花粉が飛散する季節がやって来ました。 花粉症は国民の2割が毎年かかると言われ、国民病、はたまた自然災害と言っても良い状況です。 そこで、今回はアレルギー性鼻炎の改善方法についてご紹介しましょう。アレルギー性鼻炎の改善目標は
- 症状はない、あるいはあってもごく軽度で、日常生活に支障のない、薬もあまり必要でない状態。
- 症状は安定していて、急に悪化することは滅多になく、悪化しても長引かない状態。
- アレルギー性鼻炎を引き起こす物質(アレルゲン:スギ花粉等)によっても鼻炎症状が起こらない、または起こっても軽い状態。
アレルギー性鼻炎の治療は
アレルギー性鼻炎の治療にとって大切な医師、薬局・薬店とのコミュニケーション、現代医学の薬物療法についてご紹介しましょう。治療への意欲、病気や治療法への理解を深めるためにも、医師、薬局・薬店とコミュニケーションをよくし、互いにアレルギー性鼻炎改善のパートナーになるべきと言われています。特に日記などをつけてその内容について話し合うと、抗原の発見や日常生活についての改善などに結びつきます。
(2)薬物療法
抗アレルギー薬、ステロイド薬、自律神経作用薬が一般的に用いられます。1)抗アレルギー薬
アレルギーを引き起こすヒスタミン等の体内物質を遊離させるのを防いだり、その働きを阻害します。2)ステロイド薬
ステロイド薬はアレルギーによる鼻粘膜の炎症を鎮める目的で、一般的に噴霧(局所)して使用します。しかし、重症例の場合、ステロイド薬の内服を行うこともあります。但し、アレルギー性鼻炎に対するステロイド薬の内服はその副作用を考えると、短期の使用にとどめるべきと言われています。3)自律神経作用薬
- 交感神経刺激薬 アレルギー性鼻炎での鼻づまりは鼻粘膜のうっ血、浮腫などにより起こりますが、交感神経刺激薬により鼻粘膜血管が収縮し、鼻づまりは一時的に改善されます。しかし、点鼻薬で用いた場合、連用すると効果の持続は短くなり、使用後はかえって血管が拡張して腫れが悪化します。
- 副交感神経遮断薬 アレルギー性鼻炎での鼻水は副交感神経遮断薬が良いと言われています。しかし、くしゃみや鼻閉には効果がありません。また、唾液や涙液の分泌を抑制しますので口渇が起こったり、目が乾いたりします。
漢方では
(1)アレルギー性鼻炎には麻黄剤?
漢方ではアレルギー性鼻炎に“麻黄”という生薬が配合された漢方処方(麻黄剤)を使用することが多いものです。中でも「小青竜湯」がよく使用されています。 この麻黄という生薬にはエフェドリンという成分が配合されています。このエフェドリンは交感神経を興奮させる働きがありますので、心臓の働きを亢進させたり、血圧を上げたり、胃腸の働きを抑制したりします。そのため、麻黄配合の漢方処方は心臓や胃腸が弱い人は負担になることがあるのです。 現代人に胃腸の弱い人、心臓の弱い人が多くなっている状況を考えますと、果たして小青竜湯のような麻黄剤がよいのかどうか考え直す必要がありそうです。(2)アレルギー性鼻炎と陰陽五行説
アレルギー性鼻炎は「鼻」の病気ですから、「金」に属する臓器の病気になりますので、「金」の母親にあたる「土」の働きを補う(良くする)ようにします。 この「土」に属する臓器は「脾・胃」で、これは現在の“胃腸”にあたります。 つまり、アレルギー性鼻炎の改善には、胃腸の働きを良くしなければならない(胃腸に負担をかけない)といえるわけです。-(※1) 陰陽五行説 - この考えは、自然界に5つの元素(木、火、土、金、水)があり、この5つの元素が互いに助け合ったり、邪魔しあったりしてバランスを取っているという考えです。 この考えは自然界で生きて行くうえでも非常に役立つことから、各元素に体内の臓器などを当てはめ、病気などの改善に利用しようとしたわけです。