社会の変化が速く、その変化に対応しようとして私たちは常に肉体的・精神的ストレスを受けています。
ある慢性疲労についての疫学調査によると、現在、疲れやだるさを感じている人は6割にも上り、そのうえ疲労感が6ヵ月以上続く人はおよそ3割強に達しています。
特に、最近では身体を動かせないほど疲労が長期間(6ヵ月以上)続き、微熱、頭痛、のどの痛み、筋肉痛、集中力の低下など非常に多岐にわたる不定愁訴を訴えるものの、病院を受診しても異常が見つからない「慢性疲労症候群」が増えています。
そこで今回は、この慢性疲労症候群を一例に「長引く疲労」についてお話をしましょう。
疲労とは…
身体的あるいは精神的作業を連続して行ったときの倦怠感、不快感、脱力感、作業能力の量的または質的低下などを言います。そして、疲労は体内の異常により生じた機能の低下なので、本来は休養により容易に回復します。
ところが、疲労には長期にわたる場合(慢性疲労)があり、特に生活が著しく損なわれる強い疲労が6ヵ月以上続いたり、再発を繰り返したりするにもかかわらず、その他の病気や血液検査などの異常がないものを慢性疲労症候群と言います。
慢性疲労症候群の原因は…
ハッキリした原因は分かっていませんが、体内のバランス※が乱れることによって起こると考えられています。
※ 体内のバランス
・ 人間の体は大きく3つの系のバランスによって機能していると考えられています。
神経系 : 動作や全身の感覚、呼吸、体温、代謝などを調節する。(脳、脊髄、末梢神経など)
内分泌系 : ホルモンによって体内のバランスを調節する。
免疫系 : ウイルスや細菌など外敵が体内に侵入してくれば撃退する。
これをもう少し詳しく見ていきますと…
(2) 神経系、末梢神経の一つである自律神経系のバランスが崩れます。
(ストレスの影響を受けやすい遺伝的要因の影響も考えられます)
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(3) 神経のバランスの乱れの影響で免疫系・内分泌系のバランスも乱れます。
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(4) 体内のバランスが乱れ、脳の様々な部分の働きが悪くなり、
疲労やさまざまな症状が引き起こされます。
現代医学の治療は…
慢性疲労症候群では免疫機能が落ちることが多いことから免疫機能を高めるお薬や、免疫低下によって起こるウイルス感染を防ぐために抗ウイルス薬などによる治療が試みられたようですが、一定の効果を得られていないのが実情のようです。
そこで、漢方薬が注目され、消化吸収の働きを良くし、免疫力を高める働きが期待されている補中益気湯が利用されています。
また、睡眠障害の改善に有効とされ、脱力感や疲労感、思考力低下などの改善にも効果が認められているビタミンB12、微熱の程度や頻度の改善を期待してビタミンCが使用されます。
その他、症状に応じて消炎鎮痛薬、睡眠導入薬、抗菌薬、抗うつ薬などが使用されます。
ホノミ漢方では…
漢方の考え方の中に、体の機能を「気(神経系)・血(血行・ホルモン)・水(水分の代謝)」の3つに分け、これらのバランスが乱れたときに病気が起こるというものがあります。(特に、「血」は血行・ホルモンと共に免疫系も含まれていると考えられます)
長引く疲労である「慢性疲労症候群」は、神経系の乱れによって免疫系と内分泌系のバランスが乱れることから、漢方でいう「気」と「血」の乱れが大きな原因と捉えることができます。
そこで、「気」と「血」の乱れを整えながら、胃腸機能を高め、滋養強壮の働きのある生薬を配合すれば、長引く疲労を改善するお薬が考えられます。
このお薬がパナパール、パナパール錠なのです。
パナパール、パナパール錠に含まれるセンキュウはストレスなどによる興奮を鎮静し、ケイヒは自律神経の働きを調整してトウキ・シャクヤク・ジオウとともに血行・ホルモンの乱れを整えます。また、オウギ・ニンニク・サンヤク・ハンピ・ニンジンは滋養強壮の働きをし、ニンジン・ビャクジュツ・ブクリョウ・カンゾウなどが胃腸の働きを高めます。