「少し食べただけで、すぐにお腹がいっぱいになる…」
「食後に必ず胃が重苦しくなる…」
「キリキリ、シクシク胃が痛む…」
「胃の症状はあるのに、検査をしても異常なし…」
そんなあなたは『機能性ディスペプシア』と呼ばれる状態かもしれません。なんと日本人の4人に1人が、この機能性ディスペプシアに悩んでいると言われています。
そこで今回は、多くの人を悩ませる「機能性ディスペプシア」についてお話ししましょう。
機能性ディスペプシアとは
ディスペプシアとは、「早期膨満感」「胃痛」「胃もたれ」といった、みぞおちを中心とするさまざまな症状のことを指します。
つまり、機能性ディスペプシアとは、詳しい検査をしても原因となる病気が見つからないにもかかわらず胃の機能に異常が生じて、みぞおちを中心とするこれらの症状が週に数回以上、慢性的に現れる病気です。これまでは、「慢性胃炎」「神経性胃炎」と呼ばれていたもので、2013年に「機能性ディスペプシア」という概念が導入されました。
さて、これらの症状は、どのような胃の機能異常によって起こるのでしょうか。健康な胃の働きとともに見ていきましょう。
胃の働きと、機能性ディスペプシア
食べ物が胃に入ってくると胃の上部が膨らみます。 →ここで胃の上部が十分広がらないと、少し食べただけでお腹がいっぱいになります。(早期膨満感) |
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次に、胃の壁から胃酸が分泌されます。 →通常、胃酸が分泌されても胃部に痛みは感じません。しかし、胃酸に対して敏感な知覚過敏の状態になると、みぞおちに痛みが出たり、焼けるような感じが出ます。(胃痛) なお、胃酸が多く分泌されるのは食後ですが、胃酸は空腹時でも分泌されているため、食後だけでなく空腹時に胃痛が起こることもあります。 |
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続いて胃は、「蠕動運動」(ぜんどううんどう)と呼ばれる、波打つような動きをして胃から十二指腸へ食べ物を送ります。 →この蠕動運動が弱く食べ物を送り出せないと、いつまでも胃に食べ物が残ったままになり、胃もたれやお腹の張りにつながります。(胃もたれ) |
機能性ディスペプシアの原因
さて、原因となる病気がないにもかかわらず、どうして胃の機能は乱れるのでしょうか。
胃の異常の多くは「ストレス」が原因で、このストレスによって胃の働きを制御している自律神経に乱れが生じて起こるとされています。
ストレスの他に、「睡眠不足」「食生活の乱れ」「喫煙」「ピロリ菌の感染」なども胃の働きに関係していると考えられています。
病院での治療法
病院では、症状や原因によって次のようにお薬を使い分けます。
薬物 | 特徴 |
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胃の動きを良くする薬 | 早期膨満感や胃もたれなど、胃の運動が低下して起こる症状に用いられます |
胃酸の分泌を抑える薬 | 胃が知覚過敏状態になり、胃酸に敏感に反応して痛みが生じているときに使われます |
抗不安薬 | ストレスが強い場合に用いられます |
ホノミ漢方における対策
ホノミ漢方には、人間が本来もつ自然治癒力を高めながら乱れた胃腸機能を整え、機能性ディスペプシアの不快な症状を改善するお薬として『エスマーゲン、エスマーゲン錠』があります。
エスマーゲン、エスマーゲン錠の構成薬物
「エスマーゲン、エスマーゲン錠」は…
○胃腸の働きを活発にするカンゾウ、ニンジン
○胃酸の出すぎを抑えるオウレン、ギュウタン、チンピ、ビャクジュツ、その他4種類の制酸剤
○自律神経の働きを整えるコウボク、ショウキョウ
といった、8種類の生薬を中心に4種類の制酸剤を配合したお薬で、胃の働きが衰えている状態から、逆に働きすぎている状態まで、幅広い胃腸症状の改善に役立つ内容です。
日常生活で気を付けたいこと
胃の働きが乱れているときは、胃にやさしい生活を送ることも大切です。次の4つのポイントに気を付けましょう。
1)ストレスをためない
ストレスは胃腸の働きを乱す大きな原因です。身体を動かしたり音楽を聴いたりと、気分転換をしてストレスの軽減に努めましょう。
2)食習慣を見直す
●食事をとると胃に過剰な負担がかかるため、規則正しく食事をとります。
●食べ物を消化するため、胃は食後に動きます。そのときに運動をすると、胃の働きが弱くなってしまうため、食後30分は休憩しましょう。
●口の中で細かくしておくと、胃での消化の負担が少なくなります。 食べ物は30回以上噛むようにしましょう。
●食べすぎると胃に負担となるため、食事は腹八分目にしましょう。
3)十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとることで胃の働きを司る自律神経の乱れが整い、胃の機能が回復します。
4)禁煙する
喫煙は胃の血流を悪化させ、働きも低下させてしまいます。
つまり、禁煙することで胃への負担を減らすことができるのです。